エーゲ世界 4
部屋の中央にある炉の粋には波頭文がつらなっていますし、また柱頭も彩色されています。
ピュロスの出土断片は、種類も量も多いです。
それほどでないにしても、ミケネ、ティリンス、オルコメノス、テーベの宮殿跡からも壁画片が出土して、ミケネ人の技法や趣味をうかがわせます。
これらは偶然に残ったものであるにしても、ミケネ壁画の傾向を知るには十分でしょう。
まずミケネ壁画は当然のことながら、表現も画題もクレタを模倣しています。
「牛跳び」(ティリンス、オルコメノス)、「廷臣や官女の行列」(ピュロス、ティリンス、テーベ)は構図までもクレタ壁画を追っています。
また「箱を両手で捧げるように持つ女たち」(ミクネ、ティリンス)、「ヴェランダの女」(ミケネ)、「竪琴をひく女」(ピュロス)などの服装はクノッソスの官女と変わりません。
しかしながら異なった印象をあたえます。
それは表現力の問題よりも表現理念にもとづくと思われます。